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変な人のブログ

あいつを社の問題児にしておこうという空気。或いは本当に皆がそう信じてる時。

前職総務部門に来た私。

総務で経理のAさんがミスが多い、問題児だと笑い話的に聞かされる。

また経理内でもAさんの笑い話的愚痴が多い。

しかし書類を廻してくうちにそれに疑問を持ち、データを個人的にとってみた私。

 

数字上、断トツで問題児はBさんであった。

Aさんのミスもあるが軽微で問題ないレベルだし数自体他の人と変わらない。

Bさんのミスは致命的でかつ量も平均より上。

 

でもAさんは自身でしばしば反省し各部署につど謝り、結果として逆に「いい人だけどミスが多い」となっていた。Bさん他多くの人はミスを指摘すると感情的になり腫れ物をさわるかのようになる。結果としてほとんど誰にもBさんは怒られてない。

またBさんの方が如何にも出来る風なのだ。学歴もいい。年もくってる。

 

つまりAさんを問題児にすることが皆にとって色んな意味で「おさまりがいい」。

 

学歴も低めで見た目は一見出来なさそうだし、脳としてAさんを出来ないと判断する方が容易だ。またAさんは若い方だ。皆にとって目下だ。実績を7割位に割り引いてる。

誰かを犯人にしないといけない時一番Aさんが笑って許してくれる。

Aさんに皆で感情的にも甘えてるわけだけど、感情的にも問題児にしとくと楽。

 

そういう感情的な流れに気づいた私はデータとの乖離に驚きながらも上司以外に伝えず状況を見守ることにした。上司も驚きつつそっとしとくようだ。

 

しかししばしば問題児のように軽く扱われるAさんは、当りが柔らかいがゆえに周囲は気づかなかったがそんなに嬉しくはなかったらしい。

実際印象が先行して昇進や昇給が少なかったようだ。結局彼は転職してしまった。

感情的には大人で優秀な人だからどこでも愛されるだろうと思う。

 

一方Bさんの問題児っぷりは残されたまま。しかも直接知る人以外からは有能だろうという印象から会社からは評価されてるからだ。直接知る人もわざわざ大事にしたくないので人事に報告などしない。

 

という事が以下ループ。いい人がやめてくループ。

 

時々思う。

 

私たちが思ってる以上に印象や感覚は事実とずれてる。

にも関わらずきちんとデータをとったりして実際調べようという人が少ない。

ブラインドテストやデータだけでみたら明らかに首になるような人が皆の印象や認識間違いで首にならない。

また色んなめんどくささで人事をしがちである。

 

でも収益を上げる為の組織である企業で感情や印象を中心として、感情的対立や精査を億劫がって、今後どの程度やっていけるんだろう。

 

結局優秀なAさんがやめBさんが残った。その不利益分、損を受けてるのは結局感情的な私たちなのにどうして冷静に物事が見ることを私たち自身がかたくなに拒否するんだろう。

年下だろうが、見た目はうだつあがらない感じだろうが、実際には優秀な彼のような人を評価しない事を繰り返して没落していくことを選ぶ程私たちは何を守ってるんだろう。

自分たちの印象が正しいだろうという事を訂正したくない、ちっぽけな自尊心だろうか。事実をつまびらかにするのめんどくささから逃避か。年功序列システムだろうか。

そんなの実際には会社の業績が上がって1万でも月給が上がる可能性よりも重要なんだろうか。

いや多くの人にとって重要なんだろうなと思った秋の終わりの昼休み。