ビジネスには複数の感覚器官が重要だ
これまで出会った優秀な経営者に共通したある特徴について思った事があるので書く。
と言っても簡単な話で、優秀な経営者の方は直属の部下の話を鵜呑みにしないのだ。
自分でその部下を選んでて可愛がっててその誠実さや認知の鋭さや知性を高く評価していても、それはそれとて彼らの話と別の感覚器官でビジネスの回ってるサイクルについて正しく掬い取ろうとする。
ここでいう感覚器官とは、つまり商品やサービスがユーザーに届くための必要な全ての流れに異常がないか確認する手段の事だ。
商品サービスの質の担保なら、実際の商品サービスをランダムで利用して確認とか。
組織の運営に関してなら、離職率や病欠とのマネージャー陣との話の整合性の確認とか。
感覚器官を複数持つことで良いことは二つある
一つは商品サービスの質の維持。もう一つは組織全体への緊張感を与えるのだ。
彼ら優秀な経営者は新しくサービスをスケールしようと頑張る一方、収益の柱の事業にも色んな方法で問題ないか常に確認してる。と言うのは企業活動というのは生き物と一緒で目を話すとすぐ状況が変わってしまうのだ。人というのはすぐ易きに流れてしまう。意識せずとも従業員は仕事のショートカットに走る。すると商品サービスは自然と劣化し、組織全体は緩和する。そのために優秀な経営者は感覚器官の重要性をわかって居る。
勿論優秀な部下が入れば目を離せる期間が長くなるだろう。が、やっぱりある程度のチェックは欠かせないんだと思う。
Amazonの創業者兼CEOのジェフ・ベゾスはカスタマーサポートのメールをランダムで覗いていて、顧客から尤もなクレームが来たらそのメールに「?」だけつけて担当社員に送りつけるそうだ。社員にどういうことか聞くのだ。受け取った社員は大急ぎで適切に処理しないとならない。
社長が見てると思うからか、アマゾンのカスタマーサポートはびっくりするくらい素早く丁寧な応対だ。つまりベゾスceoはクレームの内容をランダム確認するということでカスタマーサポートの質を維持する事と従業員に緊張感の提供する事の両方を果たしてる。
セブンの創業者兼元会長の鈴木敏文氏も店舗に足を運んでは買い物をしたりしてランダム商品サービステストを行なっていたそうだ。
その為例えば試食会での商品と同じ物が提供できているか、味は落ちてないか、店舗対応のクオリティは担保されて居るかを会長チェックが入る為に組織全体気が抜けなくなる。(今の社長のやり方は寡聞にして知らない)
こんな風に大企業の経営者が行なっている事が、私たちには遠すぎて役に立たないだろうか?そんなことはない。サラリーマンでも個人事業主や私のような零細企業の役員でも学べることはある。
それは自分が金と交換してる商品サービスの質を、自分で使ったり全く違う第三者に判断してもらうなど普段と違う感覚器官を使って、問題ないか確認するという事だ。
サラリーマンなら上司からのfeedback以外にもfeedbackを貰う。
個人事業主なら自商品のヘビーユーザーになる。
色んな方法で自分の商品サービス力を確認する、当たり前だが大事だ。
それをする事で個人にしろ法人にしろその質を維持できるし、質の客観性を担保できる。更に仕事での無意識のダレが防止できる。
個人事業主なら稼げ稼ぐだけだからいいが、サラリーマンなら仕事を頑張る意味がない?
いやサラリーマンにも重要だ。自分の仕事の客観性を担保し自身の商品力を向上させる事でステップアップ転職が可能になるだろう個人でも転職の際には自身の商品力のプレゼンが重要になってくる。その際に上司や直接のお客様以外の指標での自分の仕事の素晴らしさを説明できる人はおそらく強い。
ビジネスには複数の感覚器官が重要だ
優秀な人には当たり前に感じるかもしれない。
しかし経営者でさえしてない人も多いものだ。
ベンチャー系の若者が、自分のところの商品を使った事さえないのに売れないと嘆いてる(彼は部下のセリフ、お客さんからの評判いいですよを信じて頑張ってたわけのだけど。)の実際に見たので、強く思った11月の第1週。
寒くなってきたので皆様も風邪などひかないようにお気をつけてくださいね